退職、解雇の概要と離職後の社会保険や雇用保険の手続きで失敗しないためのポイントを解説しています!|労働問題解決支援サイト

退職・解雇と社会保険手続きガイド

退職・解雇と社会保険手続きガイド > 退職金の支払い/減額・不支給 退職金は賃金か?
退職・解雇と社会保険ガイド 情報

サイトマップ
サイト運営者/法定表記
個人情報保護の基本方針
業務内容/報酬額

退職、解雇の事由ほか

自己都合退職の申出
退職の時期と賞与の支給
退職予定者の有休取得
退職後の就業制限
休職期間満了時の退職
退職勧奨とは...
解雇が有効となる要件
懲戒の種類と有効性
私生活上の行為と懲戒
経歴詐称による解雇
整理解雇の四要件
採用内定の取り消し
試用社員の本採用拒否
能力不足による解雇
勤務態度不良による解雇
有期労働契約の雇止め
派遣契約の解除と解雇
解雇されたときの対処方法
個別労働紛争の解決制度
退職・解雇/関係法令

退職、解雇後の社会保険ほか

退職、解雇時の手続き
退職、解雇後の健康保険
資格喪失(退職)後の給付
退職、解雇後の国民年金
公的年金の裁定請求
退職、解雇後の失業保険
失業保険の受給期間
訓練、その他の失業給付
退職金の支払・減額ほか
退職者の確定申告
未払賃金の立替払制度

退職・解雇と社会保険ガイド LINK

役立つリンク集
相互リンク集



退職、解雇、離職後の社会保険の詳解



  退職金の支払い/減額・不支給

退職金制度は多くの企業で導入されていますが、設けるかどうかは任意です。ただし、退職金制度を設ける場合には、就業規則(退職金規程)等において、@適用される労働者の範囲、A退職手当の決定、計算および支払いの方法、B退職手当の支払いの時期について必ず記載しなければならないこととされています。(労基法89条)

@適用される労働者の範囲
会社に正社員、パートタイマー、契約社員などがいる場合には、パートタイマーや契約社員は支給の適用外となっている場合があります。就業規則や労働契約書で確認するか、入社時に確認しておくことが必要です。

A退職手当の決定、計算等
支給対象とされていても、勤続○か月以上あるいは勤続○年以上が支給要件となっている場合があります。また長期に勤続すれば、有利に計算される方式が取られていたり、自己都合退職と会社都合退職では会社都合退職の方が金額が高いなど、一定の差異がある場合が多くあります。

B退職手当の支払いの時期
労基法23条では、「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払わなければならない」旨規定されていますが、退職金の支払いに関しては、この規定は適用されないものと解されています。従って、例えば「退職金は退職日より2か月以内に支払う」というような定めをしてもよいことになっています。

退職金の減額・不支給

退職金の支給に際して、一定の事由がある場合に減額や不支給とする場合には、あらかじめその事由や要件等について就業規則(退職金規程)等に定めておかなければなりません。そうでなければ、減額や不支給とすることはできません。

また、減額や不支給となる事由については、退職後同業他社に就職した場合や懲戒解雇に処せられた場合など、その内容が合理的なものである限り有効とされます。

なお、全額不支給とするには、過去の判例から労働の代償を失わせることが相当であるとされるような顕著な背信性がある場合に限られるとされています。

(中部日本広告社事件 H2.8.31)
会社の退職金規程には、「懲戒解雇の場合および退職後6か月以内に同業他社に就職した場合には退職金を支給しない」とする不支給条項があるが、この条項そのものは無効であるとはいえず、同条項が働く場合には労働基準法第24条で定める賃金全額払いの原則の適用はないものというべきである。

しかしながら、本件不支給条項が退職金の減額にとどまらず全額の不支給を定めたものであって、退職従業員の職業選択の自由に重大な制限を加える結果となる極めて厳しいものであることを考慮すると、同条項に基づいて支給しないことが許容されるのは、同規程の表面上の文言にかかわらず、単に退職従業員が競業関係に立つ業務に6か月以内に携わったというのみでは足りず、会社に対する顕著な背信性がある場合に限ると解するのが相当である。

仕事でミスがあった場合に、その損害額を退職金から控除することはできるか?

退職金は、就業規則(退職金規程)等で退職金の支払条件等について定めた場合には、後払いの賃金とみなされ、労基法24条の賃金の全額払いが適用されるため、原則としてできません。ただし、労働者本人が控除されることを了承した場合は可能ですが、そもそも仕事上のミスが損害賠償の請求の対象になるかどうかが問題です。

一般的には、通常の注意義務を尽くしていれば、働く過程において日常的に発生するような損害については、損害賠償の義務は発生しないものとされています。労働者側の過失の度合いが重ければ負担することにもなりますが、その場合でも使用者側の教育や管理体制などの事情が考慮され、労働者が負担する額が制限される傾向にあります。

退職金が譲渡された場合

労働者が金融機関から退職金を担保に融資を受け、完済しないで退職した場合などに、退職金債権をその金融機関に譲渡するという内容の契約を結ぶことなどが考えられますが、そのような場合に、会社は退職金債権を譲り受けた会社に退職金を直接支払って差し支えないかというような問題が出てくることがあります。

この問題については、退職金は後払いの賃金であるとする考え方から労基法24条の賃金の直接払いが適用され、会社は金融機関に直接支払うことは許されず、労働者の方に支払わなければなりません。

なお、退職金の譲渡を禁止するような規定はないことから、譲渡自体は認められるものです。

労働者が死亡した場合

就業規則(退職金規程)等に、労働者が死亡した場合に、誰に支払うか支給対象者の順位等が定められている場合はそれに従うこととなりますが、定めがない場合には、民法の定めに従って相続人に支払うことになります。

この場合、相続人が複数の場合は、分割して支払うことになりますし、当事者間で争いが生じた場合などは、争いが終わるまで会社が保管することになります。

労働者が行方不明となった場合

労働者が行方不明となった場合、会社としては本人と連絡が取れないためその対応に苦慮することになりますが、結果的にどうしてもわからない場合は、会社が解雇する意思を官報等に掲載する公示の方法などを取ることになります。

退職金は、通常、本人の同意を得て金融機関の口座へ振り込みますが、行方不明の場合は、本人の同意を得ることができませんので、本人名義の口座に振り込むことはできません。

また、退職金は後払いの賃金であるということから、本人の意思を受けた配偶者などの使者に支払うことも考えられますが、本人が行方不明のため使者としての確認がとれないこととなり、この方法によることもできません。

そこで、本人が行方不明となったときは、退職金を法務局の供託所に供託する方法をとります。この処置によって会社は本人に退職金を支払ったとみなされることになります。

なお、後日、本人が現れれば、供託所から退職金を受領することができますが、生活費などのため配偶者等の親族が受領するためには、民法の「不在者の財産管理人制度」を利用することにより可能となります。


▲このページのTOP


社会保険労務士千葉事務所   就業規則で労使トラブルを防ぐ!

「退職・解雇と社会保険手続きガイド」の全部または一部の転用、転載を禁止します。


Copyright©2006 退職・解雇と社会保険手続きガイド All Right Reserved